酒粕が注目されているのはなぜ？

酒粕が注目されているのは、やはりその健康効果が大きいからにほかなりません。「レジスタントプロテイン」という成分を耳にされたことはおありでしょうか？

タンパク質が生み出す成分の一つで、お米に含まれています。このレジスタントプロテインは、発酵することでより凝縮され、分解されにくいことで腸までしっかり届き、脂質を吸収して排出する効果があるとされています。

メタボ対策になる他、お通じが良くなったり、悪玉コレステロールを減らす効果すら発見されています。これだけの健康効果を持つ酒粕が注目されるのは、必然だったと言えるでしょう。

各種アミノ酸や必須アミノ酸も含んでおり、やはりそれが米の数百倍といった含有量を誇ります。必須アミノ酸に関しては、体内で生成できない9種類全てを含んでいると言われており、新陳代謝や筋肉、骨の合成に必要な栄養素が一気に摂取できる素晴らしい食材です。

酒粕には食物繊維が含まれています。便秘解消や腸内環境を整えるのに効果的で、オリゴ糖がその効果を補助します。腸内を掃除することで善玉菌が繁殖し、腸の吸収効率も改善します。

やがては代謝が向上することで脂肪が燃えやすく太りにくい体になり、ダイエット効果さえ期待できます。そもそも、酒粕の糖質は吸収されにくいという特徴があります。

ご存知のように、お米やそれを原料とする日本酒は糖質を沢山含んでおり、酒粕さけかすも例外ではありません。しかし食物繊維を含みミネラルなども同時に吸収されるため、白米やお酒ほど血糖値を上げるには至りません。

そして前述のレジスタントプロテインによる脂質・糖質吸収排出効果もあり、食物繊維と合わせてカロリーを抑える作用が期待できます。

もちろん、酒粕でも食べ過ぎは肥満やメタボリックシンドロームにつながる可能性もあるものの、よほど食べなければ大丈夫です。お米やお酒よりはるかに健康的です。

料理にコクを与えるという意味でも注目の素材です。これはアミノ酸を多く含んでいるということも関係しています。アミノ酸は旨み成分としての作用が発見されています。

特に発効することでより凝縮された酒粕のアミノ酸は、調味料として旨みを足すのに非常に効果的です。昆布やかつお節にも似たようなうまみ成分となるアミノ酸が含まれており、これらと合わせることでさらなる旨みの相乗効果が期待できます。

酵素も多く含み健康に良い酒粕は、健康食としても調味料としても非常に優れた食材として注目されています。