家庭で発酵食品を作る時の注意
発酵食品に馴染み深い日本
近年は発酵食品の健康効果が注目され、自宅でも納豆やヨーグルトを作るようになりました。古くは味噌を自宅で作ってきた私たち日本人には、むしろ馴染みやすい習慣や作業なのかもしれません。
家庭でも普及している発酵食品ですが、そもそも発酵とは、微生物の働きによって生み出される現象のことを指しています。基本的に人間にとって役に立つ成分を生み出すものですが、そうでないものは腐っているということになります。
不思議なことに、人間にとって有益な発酵は、食べても美味しいというケースが少なくありません。納豆やチーズ、ヨーグルトは、発酵がなければ存在しない食材です。
お味噌や酒も発酵を利用して作られる食品で、日本の食文化は発酵と随分深いかかわりを持ってきたという特徴があります。
温度管理が重要
家庭で発酵食品を作る際の注意点は、何よりも温度と言えるでしょう。発酵で最も大切なのは微生物です。その微生物がしっかり働けるような環境に、適切に調節する必要があります。
使用する菌や使う食材によるものの、基本的にはその菌が最も活発に活動する温度を保つ必要があります。その温度をキープすることで、微生物は生育し、分解作業を始めていきます。
しかし微生物が活動しやすい温度を保つということは、雑菌も繁殖するのに最適な環境ということになります。
きれいに洗った容器で培養する分には何の問題もないものの、一度でも雑菌に侵入を許してしまうとそこから腐敗が始まってしまいます。
カビが生えたり腐ったりすることは、せっかくの食材が台無しになるだけでなく、気付かずに食べてしまうと、食中毒になってしまうなどの危険性があります。
冒頭で述べたように、発酵と腐敗の境目はとても曖昧です。ちょっとした不注意でいくらでも雑菌が侵入してしまうため、自宅での発酵作業には細心の注意が必要となります。
健康な食品を日々の食卓に
それさえ気を付けてしまえば、自宅で発酵食品を作ることにはたくさんのメリットがあります。ヨーグルトやぬか漬けは定番で、慣れるとバターや甘酒なども自宅で簡単に出来てしまいます。
発酵食品は非常に多岐に渡る健康効果を持ち、日本では素材を揃える環境も整っています。特に腸内環境を整え、栄養の吸収や悪玉菌を取り除く効果に優れており、新陳代謝の向上や疲労回復などの副産物も生み出します。
家庭で発酵食品を作れるようになると、節約につながるだけでなく、発酵食品を定期的に摂ることが一層容易となるでしょう。健康に良いものを日々の食生活に取り入れるためにも、ぜひ発酵食品の手作りに挑戦してみましょう。

