発酵食品が体に良い理由
菌が効果的
皆さんは発酵食品と聞くと何を思い浮かべますか?納豆やヨーグルト、味噌や甘酒などが定番の発酵食品です。実は、発酵しているものと腐っているものは、微生物の働きとしては同じものです。
ただ、人に有害な影響を及ぼす菌とそうでないものとに分かれています。例えば「乳酸菌」が有名ですが、ヨーグルトにはビフィズス菌などの乳酸菌が含まれています。
乳酸菌は主に腸内で作用し、悪玉菌の繁殖を抑えて複雑な腸内環境のバランスを取る役割があります。さらには、コレステロール値の減少やがん予防などの効果もあると言われており、善玉菌そのものも含んでいます。
これにより、糖尿病のリスク軽減にも効果的で、様々な種類の乳酸菌は納豆やチーズ、漬物にも含まれており、日本の発酵食品には伝統的に健康効果が多くあることが分かります。
その他の菌
「麹菌」にも多くの健康効果があります。必須アミノ酸が含まれ、不足しがちなビタミンB群も沢山含んでいます。
特に酒粕を上手に利用することで、体内で生成できない必須アミノ酸9種類がすべて摂取されるようになります。調味料として利用するにしても、余りあるポテンシャルを備えています。
必須アミノを多く含むものとして、甘酒があります。糀から作る甘酒は、活きた菌を効率的に吸収するのに効果的で、「飲む点滴」と呼ばれるほどです。
「酢酸菌」は、それがたくさん含まれるクエン酸が、腸内環境を整えたり疲労回復や生活習慣病予防などの効果を発揮します。血液をサラサラにすることで梗塞などのリスクを低減します。
「酵母菌」もやはり腸内で効果を発揮し、善玉菌として悪玉菌を退治し、アルコールや糖質からガスを生成することで体内に吸収されるのを防ぎます。納豆がこれを多く含んでおり、善玉菌サポート効果や便秘改善などが期待できます。
料理を美味しくする
発酵食品は独特の味わいを含んでいるものの、料理の味にコクや旨みを加えることで知られています。旨みを作り出す成分については様々な研究が進められていますが、アミノ酸がその役割を担っているのではないかと考えられています。
発酵食品にはアミノ酸が含まれ、前述のように、酒粕には必須アミノ酸がすべて含まれていることもあります。酒粕は匂いが独特で強いという特徴があるものの、水や塩で伸ばして混ぜ込むと旨みを十分に引き出してくれます。
肉を柔らかくしたり甘味を加えたり、食材の焼き上がりをふんわりと仕上げる効果もあるため、実は調味料としての使い道が非常に多くあります。出来るだけ発酵食品を食べるように心がけ、健康な食生活を送りましょう。

