コンタミや発酵失敗となる要因と予防法
一にも二にも清潔さ
何より、清潔な容器に清潔な手で作業することが鉄則です。発酵食品を作る際は、材料となる野菜や魚などを下ごしらえして、それらを容器に入れていきます。
その際の調理器具や手が汚いことは、雑菌繁殖の直接の原因となります。英語で汚染を意味する“コンタミネーション”という言い方が使われますが、まさに雑菌によって汚染されることは避けたいものです。
下ごしらえを始める前に、使用する調理器具は、事前にすべてアルコールか熱湯で消毒するようにしましょう。
漬け置くための瓶も、消毒して自然乾燥させ、極力無菌に近い状態を実現できるように気を付けましょう。もちろん、手もしっかりと洗ってから作業し、食品を包んでいるパッケージも、開封する前に洗剤で洗うようにする事は、さらに理想的です。
それによって、余計な菌の侵入を抑え、極力発酵させるための菌だけを培養出来るようになります。
分量の不正確さ
分かりやすい失敗の状態として、カビが生えることが挙げられます。カビも微生物が活動した結果生じる状態の一つですが、食べると食中毒や腹痛・下痢などの症状を引き起こすものが大半です。
発酵と同じ過程を辿るものの、人体に有害ということで、腐敗やカビと呼ばれます。カビが生えた状態は、果物を使用したレシピでよく見られます。
塩を入れないため、腐敗を抑える作用が弱く、前述の衛生管理は非常に重要性が高い作業の一つです。あるいは、塩レモンなど塩と化学反応させて作るレシピの場合、塩の量が不十分で発酵が進まないということもあります。
これは、各種材料の重さを正確に計測することで回避できるようになります。発酵は生物学であり化学です。レシピは大雑把な目分量ではなく、正しい結果を導き出すには正しい測量と手順が必要となることを意識しましょう。
発酵の時間と温度管理
発酵は、時間や温度管理を間違えることでも、上手くいかなくなってしまうことがあります。温度が低くても高くても発酵は成功しません。微生物がしっかりと活動できなければ発酵にはならないからです。
そして発酵に必要な時間も、正確に計るようにしましょう。短いと発酵不十分ですが、長いとそれも過発酵となり、食品として適さなかったり、材料の分離などの原因となったりします。失敗した状態がどのようなものかについても、あらかじめ調べると良いでしょう。
例えばヨーグルトであれば粘りや弾力がない、分離しているなどの状態が失敗にあたります。これが失敗だという例を事前に理解する事により、状態の確認もより正確になるでしょう。清潔である事に配慮しつつ、何度も挑戦を重ねていきましょう。

