酒粕でできる保存食・発酵食品
肉を柔らかくする
酒粕はそれ自体が保存食であり、発酵食品です。生活習慣病の予防やアンチエイジングに効果的で、市販のものでも冷蔵で優に六ヶ月ほど長持ちするものです。
この酒粕を使って料理を作る場合、どのような料理に利用できるのでしょうか?
まず、酒粕には肉を柔らかくする効果があり、半日から一日ほど冷蔵庫で漬けるだけで、驚くほど柔らかい肉料理が作れます。
酒粕には塩と水を加えてペースト状にしておきます。鶏肉でも豚肉でも、普段の調理の前に漬けておき、調理前に取り出して水道水で洗いましょう。その後は、通常の料理と同じように調理するだけです。
甘味成分があり、少し焦げやすい性質であるため、肉の焼き加減には注意が必要なものの、今までの普段の肉料理からすると見違えるような柔らかさとコクを感じることでしょう。
漬物で保存する
さらには漬物にも利用できます。塩の量を調節することで長期保存も可能で、漬物の味自体も美味しく仕上がります。塩と水を加えて伸ばした酒粕に切った野菜を漬け込み、余分な水分が抜けて酒粕が染み込んだら出来上がりです。
ご飯のお供にもお酒のつまみにも、そして保存食にも効果的です。NHKの「ためしてガッテン」の「酒かすパワー大全開!」で紹介されたのは、酒粕に焼酎やみりんを加えて電子レンジで軽く温め、ぬか床のように扱うという方法です。
これなら前述の酒粕の漬物も簡単に出来るうえ、お酒の風味が加わることでより大人な味わいが楽しめます。
なんとマシュマロを酒粕漬けにすると、お酒の風味とマシュマロの甘味が合わさった独特の美味しい味わいに仕上がると紹介されていました。
魚料理やドレッシングへの利用も
魚を使った保存食も可能です。魚をおろして塩を振り、漬け置き用の酒粕をまんべんなく塗ります。ぴったりとラップで包んだら密閉容器に入れ、3日以上冷蔵庫で寝かせます。
調理の際は肉の仕込みと同じように、酒粕をふき取るか洗い流してから調理しましょう。酒粕の風味が相当好きな方には、そのまま焼いても美味しくいただけますが、匂いや触感が強く残るため、水洗いをすると良いでしょう。
発酵食品の力を生かすという意味では、普段の料理や調味料に酒粕を使用する方法も良いでしょう。マヨネーズやケチャップに少し入れて風味の変化を楽しんだり、マスタードやトマト料理に合わせてさりげなく酒粕を使う、といったレシピが人気です。
特にドレッシングにニンニクやコショウと合わせて入れると、コクと旨みがより広がるスパイスになります。酒粕はカレーに入れてもコクを出すことが可能です。

