保存食や作り置き食材にもおすすめ
酒粕を利用した保存食
酒粕はそれ自体が保存食となります。酒粕にはアルコール分が5~8パーセントほど含まれるため、これが「静菌作用」を発揮します。
ご存知のようにアルコールには消毒や滅菌作用があり、天然でアルコール分を含む酒粕は、非常に腐りづらいのが特徴です。雑菌が付着しなければ、半年経っても腐らずに使用できるケースも珍しくありません。
そこで古代の日本の知恵が発達し、酒粕を使用して保存食を作る文化も発達していきました。例えば魚介類、特に魚の粕漬けなどは保存食に最適です。
魚の切り身を用意し、水気を切り、塩をまぶして酒粕を塗り込んでいきます。種類によりますが、板粕などは硬さがあるため、事前に水で30分ほどふやかし、柔らかくする必要があります。ばら粕などはより使用しやすいものとなります。
長持ちする粕汁
粕汁も定番の料理ですが、長持ちし、体にもいい汁物としておすすめです。レシピは慣れると簡単です。酒粕100グラムにだし汁1リットル程、そしてしょうゆとみりん、お好みで味噌などで味付けしていきます。
具もお好みで、大根やニンジン、油揚げ、しいたけ、ゴボウなどを小さめに切ります。基本的に、粕汁は何を入れても相性が良いので、豚汁などのように、自由に食材をチョイスしても面白いでしょう。
だし汁を沸騰させて酒粕を溶かしたら、しょうゆとみりん、味噌で味をつけていきます。そこに具を投入し火を通します。火を通す時間でとろみの程度が変わってきます。15分程度煮込んだら完成です。
ただ、子どもやアルコールが苦手な人が食べる場合、事前にアルコールを完全に飛ばす必要があるでしょう。20分以上火にかけることで、十分アルコールが消えるはずです。
冷凍保存で作り置き
酒粕はどのように保存すると使いやすいのでしょうか?長期保存には冷凍が一番ですが、一度によほど大量に使用するのでない限り、小分けにすると良いでしょう。
冷凍にすると微生物の活動も収まり、かなりの期間保存が可能となります。同じように、粕漬けにした魚や肉も、冷凍にすることで、作り置き食材として活用できるようになります。酒粕も食材も自然解凍で使用しましょう。
酒粕や糀には肉や魚を柔らかくする効果があり、塩麹やしょうゆ麹を使うことで、味も染み込み、味付けも簡単に済ませられるようになります。食材の保存効果もある酒粕を積極的に使用していきましょう。
冷凍にしても、粕漬けや漬物など頻繁に使えたり、作り置きにして素早く料理することも可能で、非常に使い勝手が良いという魅力もあります。

